なんとなく鬱な朝


2鉢あるオーリーブの樹の一つに実がついた、それも3粒だけ。
少しずつ少しずつ大きくなっている。表面のプリッとした感じがいい。

夜よく眠れない日が続いている。暑さ・運動不足に加え、日常のゴタゴタも重なっている。こんな時はどんな音楽がいいのだろう。明るいギンギンのロックやシティー・ポップでは逆効果のような気がした。そして、大して多くもないレコードコレクションから選んだのは、ウィリー・ネルソン『スターダスト』。

収めてあるのはスローテンポで静かな、どちらかといえば寝る前に聴くアルバムかも。タイトル曲「スターダスト」、「我が心のジョージア」、「オール・オブ・ミー」、「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」などなど。曲名に覚えがなくても皆聞いたことのある曲ばかり。彼のさりげない歌い方が、疲れを癒してくれる。いずれも名曲・名演だが、A面3曲目の「ブルー・スカイ」がことのほか染みる。ライナーノーツには、”アメリカのシューベルト”と呼ばれているアーヴィング・バーリンの名作とある。調べると、この方は大変な苦労をされたようだ。1881年ロシア帝国ユダヤ教徒の一家に生まれ、5歳でアメリカへ移住。その後3年で父が死去。靴磨きなどをして暮らし、その後カフェの専属歌手から作曲を始め、いつしかアメリカを代表する作曲家として映画音楽やミュージカルを数多く手がけ、100歳の長寿を全うされたそうだ。(詳しくはWikipedia等で。アーヴィング・バーリン - Wikipedia

しばし時間を置いて少し調子が出てきたところで、御大”サッチモ”ルイ・アーム・ストロングのベスト盤。円熟というか老境に差し掛かった50年代(50歳代)の名演奏がずらりと揃っている。トランペットの名手であり、かつ名歌手でもある彼のどちらかというと、声に惹かれる。けれどこのLP盤は、「すべて」とタイトルに謳っている通りトランペットの名演奏も聴き逃せない。

そして最後は、『エラ・アンド・ルイ』。こちら超大名盤であるが、アルバムとして聞くのは初めて。これまで中古ショップでもLP・CDいずれもしばしば目にしており、いつでも手に入ると思っていた。ところが、”中古あるある”というか、いざ入手しようと思うと中々ない。先日たまたま買取をお願いしようと初めて訪れた古書店に置いてあり、ようやく手に入った。
収録されている曲はどれも、勿論文句なしに楽しめる。中でも6曲目「テンダリー」最後のエラによるスキャットの大迫力には驚かされた。

まだまだ一日中30度前後の日が続くらしい。こんな名演奏・名歌唱を聞いてやり過ごすしかない。