大型フルレンジにチャレンジ!


遂に禁断の領域に踏み込んでしまうのか。30㎝径同軸2ウェイ、エレクトロ・ボイスPRO-12B(手前)。

今年に入ってフルレンジ・ユニットを2組購入した。一つは、フォステクスFE164。昔からダブルコーンの姿に憧れていた。もう一つは、エレクトロ・ボイス205−8A。PA用らしいが、その分ヴォーカルものに向いている気がした。どう使おうか思案しているうちに、愛犬の調子が悪くなってきたため、スピーカー製作に手をつけずそのままとなっていた。原因不明のまま衰弱した愛犬は5月に空へ旅立ってしまった。回復しつつあった時期に急変し、あっという間に息を引き取った。

しばらく色々なことが中途半端なままだったが、気を取り直して少しづつやっている。前述の2種類を一枚の板に取付けて平面バッフル形式にしようと決め作業を開始。ホームセンターで売っている組立式ラックを転用。バッフル面と裏面(重量のバランスを取るため)のみ板があり、周囲はとりあえずオープンで計画。そう思っているうちに月日は経ち、ようやくユニットの位置を決め、開口の線を板に書き込んだところで、ネット上にPRO-12Bを発見。どうにか小遣いで手の届く価格に後先考えずポチッ。ところが、届いた実物を見てしばし呆然。30センチ・ユニットは想像以上にデカく重い!これでは平面バッフル形式にするとしても設置場所が見つからない。といって飾っておくだけも寂しいし・・・。一度鳴らしてみようと、ユニット剥き出しで直結した。


何年製造のものかはわからないが、おそらく20年以上は経っているだろう。
傷・汚れがほとんどなく、スポンジの劣化も見られない非常に綺麗なユニット。

自重5.5キロは伊達ではなく、ユニットは大きめのフレームを支点にしてどっかと座るではないか。ネット上の情報を元に頭の中では勝手なイメージができてしまっている。さて実際に音出ししたら・・・。
すごい!なんじゃこりゃ。小音量にも関わらず狭いリスニングルーム(約5畳の洋室)がコンサートホールに変わった。最初に聴いたのは、ボズ・スキャッグスのライブCD『GREATEST HITS LIVE(2004年)』。もちろん低域はそれほど出ていないのだが、包み込むような、それでいてカラッとして朗々とした音色は、まさしくライブ会場のPAの音だ。能率が高く(97.5dB/W/m)、スピード感があり、とても聞きやすい。高域はどことなくスカした感じもするが、ボズのファルセットをしっかりと伝えてくれる。軽量コーンということだが全面にわたるコルゲーションが効いているのか、そこそこ力強さも感じる。続けて、ダイアナ・クラールのライブCD『LIVE IN PARIS』を聴く。彼女の声が本当にリアルでのけぞる。バックの楽器もこのままで十分ではないかと思わせるほどに、楽器の位置や音が明瞭に聞き分けられる。当面は、転倒防止のフレームを取付けて使うことにしよう。

これをきちんと大型の平面バッフルやバスレフ・ボックスにセットしたら、一体どんなすごい音がするだろうと考えると、興奮を抑えられない。そのためには前々から考えているリフォームを実行して、部屋の広さを確保することから始めなければ。