年末年始ハマったシリーズ本


京都のとあるジャズ・バーでのアルテック・612Cモニター(と思う)。この年季の入った佇まいが渋い。ユニットは604-8Gだろうか。さすが604シリーズ中で最高のスペックを誇るだけあり、ライブの合間に小音量ではあったが低域から高域まで過不足なく雰囲気タッっぷりのジャズを聴かせてくれた。わが憧れのスピーカー(アルテックの15インチ径デュプレックス同軸スピーカー)である。

大体なんでもすぐに集めたがるというか、いつも集中型の読書である。この度は、お馴染みのおとぼけ&ちょっと色気混じりのコミカルな絵が特徴の漫画家?エッセイスト?東海林さだお氏の丸かじりシリーズと関連のエッセイにハマっている。まだ全て読み通したわけではないが、いずれも「そうそう」とか「あったよなあ」と頷かずにはいられないものが満載だ。シリーズ46巻全て揃え、ニヤニヤしながら読んでいる方も多い(に違いない)。


大口を開けたイラストに思わず手が伸びるのが、著者本人の作品ではなく和田誠氏作だそうだ。

通勤時、就寝前、そして昼間陽の良く当たるダイニングで、眠くなりながら少しず少しずつ読んでいる。

その一節を借用する。

『でも、たまに食べると饅頭はおいしい。
特に、心が少しいじけているとき食べるとおいしい。
いじけて、饅頭の表面の薄皮を、爪の先でつまんでピリピリはがしているところなど、いじけた心にとてもよく似合う。
そういうときの饅頭は、あんまり大きくないのがいい。形は丸くて平凡なのがいい。色は茶色のやつがいい。甘みは少しおさえめがいい。ハンコは押してないのがいい。お茶はぬるめの渋茶がいい。しみじみ噛めばしみじみと、いじけた心にしみるのさ。・・・』(東海林さだお著「ダンゴの丸かじり」”饅頭こわい”より)
先日亡くなった八代亜紀さんの舟唄のようだが、なんと細かく適切な描写であることか。


ベッドに入り就寝までの数分かせいぜい30分ほどの読書の間に心地よい音色でラジオを聴かせてくれる、ダイヤトーンのレシーバーDA-R320