シュアーV15TypeⅣでお勉強


オーディオ道の先輩方ならすぐに見破られるであろう変な姿。M95EDボディにV15TypeⅣのスタイラス

シュアーの名作カートリッジV15TypeⅢの後継機種として発売されたV15TypeⅣ。M95EDよりも先に購入していたものの、取付けに丁度良いシェルやビスが手元になく数ヶ月置いたままになっていた。中古ではあるが、元のケースに入った3ヶ月の保証がついた美品。それで安心しすぎたのが失敗の元となった。

最初取り付けようとしたのはナガオカ製の軽量シェル。付属のアルミ板をスリットに差し込んで使おうとしたが、切ってあるねじがミリねじではないため手元のビスが使えない。やむなくパッケージ内に使ってあるエボナイト?の先端だけねじがきってあるビスを使ったのでこんな形になった。

シェル側の孔が長穴のためスルスル滑りなかなか固定できない。何度かトライして、ようやく固定が完了。ところが、ここでまた問題発生。軽量カートリッジに軽量シェル、おまけにビスまで樹脂製では軽すぎてアームのバランスが取れない。以前GRADOのカートリッジを使っていた時に、それで困ったのをすっかり忘れていた。バランスを取るため、使っていないGRADOに付けてあった自重15gのオルトフォン製シェルを転用する。すると通常のビス径だとカートリッジのボディに干渉して真っ直ぐ通せない。一組だけあった細径の短いビスがなんとか使えた。それが下の姿。なかなか決まっている。ここまでの所要時間はおよそ3時間。疲れを吹き飛ばしてくれる音を期待してレコードに針を落とす。

あれっ、なんかおかしいぞ。確にレンジの広い、ダンピングの効いた小気味良い音がしているのだが、音がやけに左側に偏っている。バランスつまみで確認する。やはり右の音がほとんど出ていない。右側は通常のボリューム位置では蚊の鳴く音量だが、ボリュームを上げると音はそれなり。ただ、バランスがおかしいようだ。

ここからまた、難行苦行が始まった。アーム側の接点を磨き、リード線の両側端子を磨き、果ては試供品で手にしていたアンダンテ・ラルゴのSuper TMDスタイラスの差し込み部分に塗布した。各作業が終わる度にチェックするが、改善せず。困った〜、というかシマッタ〜!保証期間3ヶ月を過ぎている。これじゃ、お金を捨てたも同然になる。思案した果てに、冒頭の写真の状態で試してみた。するとM95にちょうど収まり、かつ左右バランス良くなるではないか。M95はTypeⅢの廉価版という事だが、TypeⅣとも互換性があるようだ。音は元のED針より数段グレードアップした感じになる。そうは言っても、これではED針がかわいそうではないかとも思う。そこで現状は、下の写真のように一旦諦めた軽量シェルに先の細径で短いビスを使用。ビスの重量が少しアップしたのでギリギリ使えた。

モノラル盤に使って音色を楽しんでいるTypeⅣ。カッコいいのに、ステレオ盤を聴けないとは・・・トホホ。今回は大変疲れたけれども勉強になった、と無理に納得しようしたがそんなにすぐに納得できない。針折れのリーズナブルな個体が出てこないか、またまたネット掘りに精を出している。