「no reason to cry」に夢中


最近入手したM95ED。M95HEより明るく、元気が感じられる。ただし、低域は少し出が渋い。慣らし不足?

エリック・クラプトンのソロ・アルバム4作目。一見どうってことのないジャケット、けれど濃淡のある濃いブルーが印象的で、赤ら顔のクラプトンもまだ若い。ボブ・ディランロン・ウッドザ・バンドのメンバーらを招いて制作された。

こちらがジャッケットの裏面。フォントの異なる文字がごちゃごちゃと並んでいると思っていたが、持ち帰ってよく見ると、全て曲名だった。なんだか製作者の余裕を感じるなあ。お見事です!

さて肝心の曲はというと、文句なく全曲素晴らしい。若い頃のアルバムでは一番だ。
夢うつつといった気分で始まるA面1曲目『Beautiful Thing』は、クラプトンの回りをエンジェルたちがささやきながら舞っているようだ。続く『Carnival』はノリノリ。曲の始まりでクラプトンが「オイっ!」と言っているようで笑ってしまう。”Come with me”のフレーズを繰り返すだけで幸せな気分になれる。3曲目『Sign Language』は、ボブ・ディランの作曲。イントロの”ジャーン”がカッコいいし、二人のデュエットがほのぼのとして楽しめる。4曲目『Country Jail Blues』はメジャー・メルリ・ウェザーという方の曲で、これ留置所の話らしく渋いのだが、ギターとベースそしてキーボードの絡みがよろしい。A面最後の5曲目『All Our Past Times』はクラプトンとリック・ダンコの共作。ボーカルの渋い声がとてもいいのだが、リック・ダンコだろうか?
そしてB面1曲目『Hello Old Friends』はこのアルバムでは唯一のヒット曲とのこと。バックの女性ボーカルがソロ2作目「461 Ocean Boulevard」に入っている『I Shot The Sheriff』を彷彿とさせる。2曲目『Double Trouble』は重苦しい歩みで始まる。クラプトンの声も悲痛だ。一体どんなトラブルを抱えてるんだい。3曲目『Innocent Times』バック・シンガーのマーシー・レヴィが自作(共作)の曲を熱唱。4曲目『Hungry』も彼女のボーカルが際立つノリのいい曲。”Hungry♪, I'm hungry♪, I'm hungry♫”の連呼がお気に入り。最後5曲目『Black Summer Rain』は、夏の喧騒が土砂降り雨ですっかり洗い流されたといった気分だろうか。クラプトンがエンジェル達のコーラスをバックに訥々と歌い、静かに終わる。

すっかり気に入ってしまったアルバム「no reason to cry」はカセットテープにダビング(懐かしい響き)し、通勤時間や昼休みに繰り返し聴いている。

クラプトンのスタジオ録音ソロ・アルバムに限ると、手元にないのは1作目「エリック・クラプトン」、80年代の「ビハインド・ザ・サン」と「オーガスト」の3枚となる。初めてのコンプリートを目指してみようか。できればネットではなく、実店舗で手に入れたい。