徳利

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徳利に利用しようと手に入れた器である。リサイクル品を扱う雑貨店で入手。美濃焼かと思われるが不明。銘も入っていない。お店の方は出汁入れかもと言われていた。確かに蕎麦つゆをこの器に入れて注げば、蕎麦の味が2倍おいしくなりそうだ。
注ぎ口が薄く伸ばした土を中に空間ができるように巻き、胴体の筒に貼り付けたような形をしている。おそらくそのように作られたのだろう。そのいびつ具合が面白い。
日中でも1度Cそこそこの昨日今日の天候。スーパーで買った芋焼酎をこの器に入れ、湯呑みでお湯割りにして呑んだ(写真の盃は柄が似ているので並べてみた)。冷えた体に火が灯ったようにポコポコと温まる。

念願の1枚を手に入れて

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念願の1枚は、ヴァン・モリソン初期のライブ盤『ライブ〜魂の道のり』。自分にとってロックの師であるピーター・バラカン氏の著書『ぼくが愛するロック名盤240』に「これは一家に一組常備すべき必聴盤です」と書かれているアルバムのリマスターCDである。以前中古レコードで見つけたが、その値段に躊躇した。今回は同じ中古でも新同品、かつ年に一度の割引もあり手に入れた。

内容は、モリソンのシャウトは抑え気味で淡々と進められ、観客も静かである。そもそもがBBCテレビで放映される予定の収録であったから観客に制限が加えられていたのかもしれない。それでも後半CD2の5曲目「HERE COMES THE NIGHT」以降急激に盛り上がりを見せる。単に観客の声や手拍子が聞こえるからかもしれないが(ここまでは意図的に抑えている?)。「GLORIA」では観客と一体になって雄叫びを上げている。最後は即興的になり、バンドメンバーの紹介も入り、しばしば曲を中断しながら盛り上がり、「CARAVAN」から「CYPRUS AVENUE」と続いて終わる。

驚いたのは音が非常に明瞭でクリアなことだ。前述のバラカン氏著書によると、当時テレビ放送の音質が悪いため、同時にラジオの二つのチャンネルで左右別々に放送していたとのこと(FM放送が始まる前であったらしい)。そこまでして放送されるヴァン・モリソンは偉大だ。そして、テレビの両脇にそれぞれ違うチャンネルに合わせたラジオを置き(おそらくは家族揃って)テレビを見ている様子は、想像するだけでも楽しいではないか。一家に一組とはこの様子を再現するためかもしれない。
2016年のリマスター時に未発表録音曲を別組CD3枚+DVD1枚がVol.2として発売されているので、オリジナル音源から落としているのであろうが、その音源の録音状態が非常に良かったのだろう。今後オーディオ・チェック用にしようかと思う。

自作音響パネルに挑戦

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ここ数年音響パネルに非常に興味がある。ごく普通のマンションの洋間に床はカーペット敷きのため残響は少なめ。スピーカー後方には掃き出しガラス窓があり後方音の反射が強めになる。そしてガラス越しに外部からの音がジャンジャン入ってくる。オーディオ誌には様々な音響パネル製品が載っている。特に、扱いやすい仕様とサイズに加えてリーズナブルな価格のY社パネルはとても魅力的だ。そんな中でふとした思いつきで自作に挑戦。まず使用済み襖張り替えシートの紙製芯パイプを9本使って市販の桐板(買い置きしていた物)で挟み込んでみた。勘を頼りにおよそ等間隔で千鳥に並べ木工ボンドで貼り付けた。片方を貼り終え、塞ぐ前にコメを5分の1程度の高さまで詰め重り代わりとした。その状態で両サイドスピーカーの中央やや後方に配置して聴いてみた。すると不思議なことに若干音がクリアーに聞こえる。スピーカーを自作BHに切り替えるとその効果が更に大きく現れた。特に低音のブーミーさがかなり薄らぐ。これなら聞きやすいといくつかのCDを聴き比べた。弦楽器ではパイプの中の空気が共鳴するのか、響きが豊かになる。

後日、このパイプの間にT社製吸音材を差し込んでみた。これは以前あちこちへ置いて余分な反射防止の効果を確認できたものの、設置方法を考えつつ仕舞い込んでいたものだ。効果は明確ではないが、多少はあるように思われる。特にピアノ曲で音のキレが良くなったように感じる。スピーカー間の残響を押さえ込んでいるのではないか。

市販のものは効果が確実に望めるのであろうが、期待しているY社のパネルも代理店の方によると4枚以上使用しないと効果が分かりにくいとアドバイスされた。4枚というと少し高価になるので慎重にならざるを得ない。今回使用した材料は2,000円足らずなのでダメ元である。これでしばらく様子を見ようと思う。

シャッターチャンスを逃すな!

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公園の池、小川、そして釣り先で出会う鳥たち。彼らは敏捷で音に敏感。珍しい野鳥に出会う時、決まってiPhoneしか持っていない。どこにあるかポケットやカバンを捜している間に3分の1はどこかへ飛び去ってしまう。ようやく取り出してカメラモードにし、ピントを合わせるまでに更に3分の1はさようならだ。そしてなんとか撮影できた3分の1も、デジタル望遠では画像は荒く、べったりとした画面は多くは判別すら難しい。そんな中でどうにか種別を見分けることができるものをいくつか。いずれもトリミングしている。
上は、アオサギが池のほとりに悠然と佇んでいる間に何枚か撮った中の1枚。5mくらいに近づいても逃げないでいてくれた。こんなのは珍しい。

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これは釣り場で潮が満ち、足元に波が被り始めたので撤収しようとしていたときに近づいてきたイソヒヨドリのつがい。実際は体色が全体に青味を帯びている。特に胸から腹にかけての紫がかった赤い羽毛は玉虫色に輝きとても美しかった。こんなときミラーレスでもあればと思う。

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こちらも公園で出会ったハクセキレイ。この時も珍しく数mに近づいても逃げなかったので、iPhoneの望遠側で側面をうまく捉えられた。

時の本を読んだ

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今話題の本であることでは間違いのない1冊、柳美里著・小説『JR上野駅公園口』を読んだ。読もうと思ったきっかけは、この小説が海外で大きな賞をもらったというニュースだった。学生時代に度々訪れ多少の思い出がある上野が舞台、福島は昨年自分で少し見聞きした。そんな軽い動機だった。しかし、内容は想像を遥かに超えたずっしりと重いものだった。過去から現在が、自分と家族が、自分と周辺の人たちが、断片的にぐるぐると回りながら少しずつ明らかになる。そしてあの頃も今も何も変わっていないと気付かされる。