時の本を読んだ

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今話題の本であることでは間違いのない1冊、柳美里著・小説『JR上野駅公園口』を読んだ。読もうと思ったきっかけは、この小説が海外で大きな賞をもらったというニュースだった。学生時代に度々訪れ多少の思い出がある上野が舞台、福島は昨年自分で少し見聞きした。そんな軽い動機だった。しかし、内容は想像を遥かに超えたずっしりと重いものだった。過去から現在が、自分と家族が、自分と周辺の人たちが、断片的にぐるぐると回りながら少しずつ明らかになる。そしてあの頃も今も何も変わっていないと気付かされる。