念願の1枚を手に入れて

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念願の1枚は、ヴァン・モリソン初期のライブ盤『ライブ〜魂の道のり』。自分にとってロックの師であるピーター・バラカン氏の著書『ぼくが愛するロック名盤240』に「これは一家に一組常備すべき必聴盤です」と書かれているアルバムのリマスターCDである。以前中古レコードで見つけたが、その値段に躊躇した。今回は同じ中古でも新同品、かつ年に一度の割引もあり手に入れた。

内容は、モリソンのシャウトは抑え気味で淡々と進められ、観客も静かである。そもそもがBBCテレビで放映される予定の収録であったから観客に制限が加えられていたのかもしれない。それでも後半CD2の5曲目「HERE COMES THE NIGHT」以降急激に盛り上がりを見せる。単に観客の声や手拍子が聞こえるからかもしれないが(ここまでは意図的に抑えている?)。「GLORIA」では観客と一体になって雄叫びを上げている。最後は即興的になり、バンドメンバーの紹介も入り、しばしば曲を中断しながら盛り上がり、「CARAVAN」から「CYPRUS AVENUE」と続いて終わる。

驚いたのは音が非常に明瞭でクリアなことだ。前述のバラカン氏著書によると、当時テレビ放送の音質が悪いため、同時にラジオの二つのチャンネルで左右別々に放送していたとのこと(FM放送が始まる前であったらしい)。そこまでして放送されるヴァン・モリソンは偉大だ。そして、テレビの両脇にそれぞれ違うチャンネルに合わせたラジオを置き(おそらくは家族揃って)テレビを見ている様子は、想像するだけでも楽しいではないか。一家に一組とはこの様子を再現するためかもしれない。
2016年のリマスター時に未発表録音曲を別組CD3枚+DVD1枚がVol.2として発売されているので、オリジナル音源から落としているのであろうが、その音源の録音状態が非常に良かったのだろう。今後オーディオ・チェック用にしようかと思う。