ミユビシギ

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釣りに行って鳥と友達になった。

最近では海釣りもルアーが主流の感があるが、我々五目釣り俱楽部の面々は未だ青イソメや石ゴカイがメインの釣りだ。この日は一人で日の出前からいつもの海岸へ。これといった釣果は16センチのシロギス1匹のみで、粘ること3時間余り。今日もダメかなとあきらめかけている時、ヒョコヒョコ歩く小さなシギが目に入った。こちらを向いて2m辺りまで近づいてくる。逃げることもなく、何かおこぼれを期待しているようだ。元気の良い石ゴカイの切れ端を投げると、1mくらいでも取りに来てついばんでいる。その後どこかへ飛んでいったと思っていたが、また戻ってきてはエサをもらうことの繰り返し。そうこうしているうちに22センチのカワハギが釣れた。やった!このシギ君は福の神だな。ありがとう。
彼(彼女?)が来る前に一度30センチを優に超えるカワハギを取り込む手前でバラしていたので溜飲を下げることができた。

iPhoneのビデオでも撮っていたので家に帰ってから調べると、普通は脚の裏側に小さく残っている指が無い種類なので「ミユビシギ」の名がついているそうだ。

※昨日は勘違いして「ミツユビシギ」と書いたが、正しくは「ミユビシギ」。
※また、「渡鳥」とは繁殖地と越冬地を移動する鳥で、ミユビシギは渡りも越冬もせず渡りの途中に立ち寄るだけの「旅鳥」だそうだ。

このヒキがたまらない

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週末早朝の須磨海岸。すでに大勢の太公望が渡船で一文字堤防に陣取っている。
こちらは、通称赤灯台の南側にある渡船乗り場から投げ釣りと落とし込みの2本立て。
深さ3mほどの足元にたくさんの小魚が見える。
海水温もようやく下がったと思いきや、触るとまだ生温い。
こりゃまだだな。
けれども餌はたっぷりあるし、ここはじっくりと運試し。
アタリはそこそこあるが、いずれも小魚ばかり。
フグ、チャリコ、コチ、アイナメ、ガシラ、果てはハオコゼに海ケムシ。
記憶にない海ケムシ3匹目がかかったところで移動を決意。
すでに5時間以上いたことになる。
西へ移動する途中で海水浴場の突堤から投げてみたが、全く反応なし。
漁港に着き、海水浴場側へ投げたが仕掛けを根掛かりで2個も失う。
諦め半分に漁港内へ投げる。
なぎの時間と思っていたが意外と潮が入り込んでいる。
次の瞬間、グッグッとくる強いヒキが。
おお、これは! 期待が膨らむ。
釣り上げたのは19センチほどの丸々太った落ちキスだった。
1匹だけだったが、久々の良型キスに満足して1時間後引き揚げた。

才能のぶつかり合い

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ヴァイオリン協奏曲の中でも最高の3曲に入ると言われるベートーヴェンの曲を、ヴァイオリン独奏ギドン・クレーメル、アーノン・クール指揮によるヨーロッパ室内管弦楽団演奏のCDで聴いた。
ベートーヴェンイヤーの今年、本来なら彼の曲を演奏するコンサートが世界中で多く開催されるはずだった。しかし新型コロナ禍により多くがキャンセルされた。少しでもベートーヴェンイヤーに浸りたく、背伸びして色々なCDを購入している。とはいえ好みの曲を異なる演奏者で揃えている程度だが。そんな中、タワーレコードのチョイスCDを3枚買うと20%引きというのにつられ物色していて上記のCDを手に入れた。世の評判は音友ブック『名曲名盤300』他で見知ってはいたが、これは確かに”個性派巨頭”の対決に違いない。これまで聴いた他の演奏では、曲の美しさに聞き惚れることが多かった。ところが本演奏はとても個性的で、知らず知らずそちらに注意が向いている。思わず、数年前のコパチンスカヤ独奏によるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を思い出した。中でも、本当の即興ではないだろうが、カデンツァが生々しいことこの上ない。それでいて説得力があり、滲みてくる。ますますこの協奏曲が好きになった。

秋空三題

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早朝の須磨海岸。さあこれから釣るぞと、気合の入るスカッとした日の出。
この日の釣果は、・・・。

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陽が少し傾き始めた塩屋海岸。鯨にハマチにカレイに見える雲たち。
さてこの日の釣果は、・・・。

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釣りから戻り、愛犬と散歩する。
次は大きいのが釣れるよ、と優しく語りかけてくれるような夕暮れ時。

秋の美術散歩

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滴翠美術館の駐車場を囲む木々の中でハッとするほど赤い色が際立っていた。

セミの声が聞こえなくなり、釣り竿片手に塩屋海岸に通う季節になった。今日は近在の美術館のいくつかが無料開放を催してくださる貴重な日曜日。開館前に到着するよう電動自転車をギコギコとこぐ。目指した先は芦屋の”滴翠美術館”。明治・大正・昭和と活躍した関西の実業家・山口吉郎兵衛が自邸の一部に東京オリンピックの年に開館した。吉郎部衛が収集した日本・中国の陶磁器を中心に展示する美術館である。もちろん館内は撮影禁止だけれど、来館者が多く展示品の前に長時間立っているのが憚られるため、ヨーロッパのように撮影を許可欲しいと思うことしきり。館内を見終わり、庭の前に置かれている2頭の羊の石像に出会った。ほどよく表面が風化している。近づきすぎるとディテールがわからなくなる。帰宅後見分けられるギリギリでトリミングし加工した。

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そして帰り道、芦屋川のほとりに立つ”ヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)”を訪れた。手前の急な坂を登り辿り着くと、係員の方が「自転車では大変だったでしょう」と声をかけてくださった。ほっこりとするひととき。

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学生時代に憧れたフランク・ロイド・ライトの弟子、遠藤新が設計したこの建物を見るのは楽しみであるとともに、ちょっと気負ってしまう。そんな気分で撮った1枚。