今更のマイケル・ジャクソン自伝

f:id:hinoikelife:20211007193716j:plain

ブックオフで見つけたマイケル・ジャクソンの自伝、『MOON WALK by MICHAEL JACKSON田中康夫訳、河出書房新社刊。1988年に書かれ、その年に日本でも発売されている。まさにソロとしてのマイケルの絶頂期に書かれたものである。オンタイムで、彼の音楽を街のどこにいても日常的に耳にし、またLPやそこからダビングしたカセットテープで何度も聞いていた世代として懐かしくもあり、また当時色々と世間を騒がせていた真相はそうだったのか、などと勝手な想像をしながら一気に読み通した。当然プロ作家の手直しもあるだろうし、翻訳が良いおかげも大いにあると思われる。それでもマイケルの言葉がとても自然に感じられ、すっと腑に落ちる。彼はとてつもない天才ミュージシャンであったし、同時に凄まじいまでに完璧を追い求めた姿が見えてくる。
この自伝の中で何度か、若くして才能を開花させながら夭逝していった多くのミュージシャンに触れ、自分はそうならないと言っている。
そんな彼も20数年後の突然の死を、天国で素直に受け入れることができているだろうか。70歳代80歳代になったミュージシャンの近年の活躍を見聞きするにつけ、60歳を過ぎたマイケルがどんな音楽を作っていたか聴いてみたかったと、とても残念に思うのである。

f:id:hinoikelife:20211007193655j:plain