秋の美術散歩

f:id:hinoikelife:20201004210843j:plain
滴翠美術館の駐車場を囲む木々の中でハッとするほど赤い色が際立っていた。

セミの声が聞こえなくなり、釣り竿片手に塩屋海岸に通う季節になった。今日は近在の美術館のいくつかが無料開放を催してくださる貴重な日曜日。開館前に到着するよう電動自転車をギコギコとこぐ。目指した先は芦屋の”滴翠美術館”。明治・大正・昭和と活躍した関西の実業家・山口吉郎兵衛が自邸の一部に東京オリンピックの年に開館した。吉郎部衛が収集した日本・中国の陶磁器を中心に展示する美術館である。もちろん館内は撮影禁止だけれど、来館者が多く展示品の前に長時間立っているのが憚られるため、ヨーロッパのように撮影を許可欲しいと思うことしきり。館内を見終わり、庭の前に置かれている2頭の羊の石像に出会った。ほどよく表面が風化している。近づきすぎるとディテールがわからなくなる。帰宅後見分けられるギリギリでトリミングし加工した。

f:id:hinoikelife:20201004210911j:plain

f:id:hinoikelife:20201004210908j:plain

そして帰り道、芦屋川のほとりに立つ”ヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)”を訪れた。手前の急な坂を登り辿り着くと、係員の方が「自転車では大変だったでしょう」と声をかけてくださった。ほっこりとするひととき。

f:id:hinoikelife:20201004210914j:plain
学生時代に憧れたフランク・ロイド・ライトの弟子、遠藤新が設計したこの建物を見るのは楽しみであるとともに、ちょっと気負ってしまう。そんな気分で撮った1枚。