譜面に向かう

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生憎の曇天だが、ようやく見頃を迎えた近所のサクラ

ドイツ生まれのチェリストで音楽教育者であるゲルハルト・マンテル氏による『楽譜を読むチカラ』(音楽之友社刊)をまた読んでいる。この本に書かれている内容は、きっと相当に高度なレベルを目指して書かれていると思うのだが、その理知的で、平易な説明が凡庸な私の心にも響く。その意味するところを、わずかな知識と経験からたぐり寄せようとしている。
そこで、わずか8小節しかないチェロのためのエチュードで実践してみる。4つのポジション移動を練習する段階であるが、上記著書にある12章「変化をつけて演奏しよう」や15章「音楽をイメージしてみよう」はどうなるか。同じモチーフを同じように演奏しないことや、この8小節をどのように表すかということを、硬くなった頭で考えトライしてみる。そうすると、これまで漠然としか見ていなかった譜面をしっかり読もうとしている自分に気付く。同じ長さの音符の連続を配分を変えて弾いてみたり、4分音符の4連続が2つのスラーで分けてある理由を考えてみたり、等々。著者のいう“正しいかどうかは問題ではない”を頼りに、勝手な解釈に従うのであるが、弾いている事自体がとても楽しくなる。

いつの日かサクラを自分の音楽で奏でる事ができたら、どれほど楽しいだろう。
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比べるまでもなく

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高すぎる鼻へのコンプレックスから逆立てていた髪型も、現在ではごく普通に見える。自分が着たら洋服だけ浮いて見えるだろう、たて縞のスーツを見事に着こなし、ズボンのポケットに両手を突っ込んで闊歩する、いくつになってもカッコいいロッド・スチュワート(このアルバム『Great American Songbook: Vol.3: Stardust 』が2004年発売なので、59歳頃の写真ではないかと思われる。)

週末、近所で行われた“蚤の市”の帰り道、立ち寄ったコーヒー・ショップ?で流れていた渋い声とJAZZYなメロディー。マスターに尋ねると、ロッドのカバー曲アルバムです、とのこと。本日帰り道に早速いつもの「りずむぼっくす」へ向かった。運良くシリーズ全5枚のうち3枚があり、すべて購入。〆て1,750円也、お得!
今そのCDを聴いている。こういう曲には適度な低音が必要だ。今のシステムで最も不足しているのは低音。重低音や超低域は不要だが、包み込むような甘い低音が欲しい。とりあえずは、プリメインアンプのトーンコントロールで雰囲気を出してみる。悪くはない、が・・・。
手持ちのスピーカーにバックロードタイプの自作D-102MkⅡがあるのだが、欲しいのはこの低音ではない。次の自作を口径の大きいフルレンジ・ユニットにするか、2ウェイにするか、はたまた以前から考えている4スピーカー構成とするか。少し目標がイメージできた気がする。

待ち遠しい・・・

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一週間前にはもうすぐ咲くと思っていたサクラのつぼみだが、なかなか咲いてはくれない。暖かさの累積量で咲くというのをかつて読んだ事があるが、まさしくそんな感じだ。今週は寒い日が続く、特にここ二日は冬が戻って来たようだ。

待ち遠しいのはサクラばかりではない。昨年我が家に来たアデニウムは無事に冬を越したように見えるのだが、新しい葉は一向に顔を出さない。水をあげると芽が出てくるかと思案するが、探して来てもらったフラワーショップで確認するとまだまだ早いとの事。そんなものか。仕方ないので矛先を変え、オルテオスペルマムという花の苗を買い、植え替えて気を紛らせた。

変化を期待するのはこちらの勝手に違いない。相手はそんな事に一向に構わず、マイペース。というよりも、自然の摂理が優先するのだ。でも、待ち遠しい。

第113回定期演奏会

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おおらかさがにじみ出てるピアニスト、クレア・フアンチ嬢。手前は指揮をしたフロール氏。

本日は、第113回PAC定期演奏会。メインの曲が、数少ない知ってる曲の一つ、ブラームス交響曲第1番。リハーサル時の評判も良かったので期待して出かけた。
指揮がドイツ生まれのクラウス・ペーター・フロール氏。オケの配置がいつもと大きく異なる。左手前が第1バイオリン、第2バイオリンは右手前。ここまではよくある。ビオラは第2バイオリンの後ろ、チェロは指揮の正面、バスは左奥。ティンパニーが右奥。そして管が後方にずらりと並ぶ。響きがどう変わるのか興味深い。
前半1曲目がベートーベンの「エグモント」序曲。短くも力強い、いかにもベートーベンらしい見事な曲でした。今回の配置による響きの違いは、よくわからない。
2曲目がソロピアニストにクレア・フアンチ嬢を迎えて、シューマンのピアノ協奏曲。彼女の印象は、明るい音色ではじけるように弾いて、オケにはついて来てねという感じ。少しくらいミスタッチがあっても(?)気にしないというか、おおらか。自分はこういう演奏が好きだという事が判った。そして、アンコール1曲目フリードリヒ・グルダトッカータという曲は、なんとも凄まじい早弾きだった。お見事!
休憩後の後半が待っていた交響曲1番。ドラマチックで爽快感があって、美しいメロディーやハーモニーの連続。素晴らしい曲だ。フロール氏の指揮は、次は強いんだなとか、ぐっと感情を込めてとか判りやすく、見ていて楽しい。コンマス・近藤氏のバイオリンソロの音色、きれいだったなあ。最後、全員ピッタリ揃ってかっこ良く決めた。演奏後、今回で退団すると思われる二人と握手したり、泣きながら抱き合うメンバー達。羨ましいほどの青春が、そこにあった。

終演後そのまま帰りかけたが、傘を忘れた事に気付き戻った。ないと思っていたサイン会があったようで、急いで最後尾に並んでクレア嬢とフロール氏のサインを頂いた。

嵐が去って

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明け方の嵐が去って、時折強い日差し。愛犬と小川のほとりを歩いていると、つくしがあちらこちらで顔を出している。サクラのつぼみも急速に膨らんできて、遠目に少しピンク色がかって見える。開花が待ち遠しい。

f:id:hinoikelife:20190316093238j:plain猪名川流域の鳥より

さらに川底の敷石の上をこの辺りでは珍しい(?)キセキレイがぴょんぴょん跳ねていた。普段よく目にするセグロセキレイなどはつがいで行動するが、キセキレイは単独行動をするそうだ。今朝のも1羽のみだった。