譜面に向かう

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生憎の曇天だが、ようやく見頃を迎えた近所のサクラ

ドイツ生まれのチェリストで音楽教育者であるゲルハルト・マンテル氏による『楽譜を読むチカラ』(音楽之友社刊)をまた読んでいる。この本に書かれている内容は、きっと相当に高度なレベルを目指して書かれていると思うのだが、その理知的で、平易な説明が凡庸な私の心にも響く。その意味するところを、わずかな知識と経験からたぐり寄せようとしている。
そこで、わずか8小節しかないチェロのためのエチュードで実践してみる。4つのポジション移動を練習する段階であるが、上記著書にある12章「変化をつけて演奏しよう」や15章「音楽をイメージしてみよう」はどうなるか。同じモチーフを同じように演奏しないことや、この8小節をどのように表すかということを、硬くなった頭で考えトライしてみる。そうすると、これまで漠然としか見ていなかった譜面をしっかり読もうとしている自分に気付く。同じ長さの音符の連続を配分を変えて弾いてみたり、4分音符の4連続が2つのスラーで分けてある理由を考えてみたり、等々。著者のいう“正しいかどうかは問題ではない”を頼りに、勝手な解釈に従うのであるが、弾いている事自体がとても楽しくなる。

いつの日かサクラを自分の音楽で奏でる事ができたら、どれほど楽しいだろう。
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