SONGS IN THE ATTIC

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1981年、まだ大学に入ったばかりの頃発売されたビリー・ジョエルのライブアルバム。アルバイト代で生活していたのでLPレコードは滅多に買えず、ラジオで聴いていつか生演奏で聴きたいと憧れていた。社会人になり、1987年に初めて彼のコンサートへ行った。しかし当時発売になった(彼としては最も売れなかった)アルバムの曲が中心で、それ以前の曲はわずかだった。その上、声に独特の張りがなく歌も表情も冴えなかったのを覚えている。

そんなビリー・ジョエルの懐かしいアルバムを、月に一度は通っている中古CD・LPショップで先週見つけた。実は1年ほど前にも買ったのだが状態が悪くほとんど聴いていない。今度はどうかなと思いながらも、¥300という値札につられて購入。幸い状態が良く、LPの滑らかでパンチのある音を楽しめた。まず1曲目の“Miami2017(Seen the Go Out on Broadway) ”。速いテンポのイントロ、少しかすれた張りのある声、そしてコブシ(?)の効いたサビ、これぞビリー。9・11テロにまつわる不可思議な話があるようだが、40年先の未来をこんな風に破滅のイメージで見ていたなんて・・・。4曲目は“Los Angelenos”。「ろっす、あんじぇり〜〜の〜す」、元気のよい曲。歌詞は意味不明。5曲目“She's Got A Way”、6曲目“Everybody Loves You Now”、彼女の話とかふられた彼女の話とか、いずれもデビューアルバムの曲でシャイなビリーが見える。そしてB面1曲目が“Say Goodbye To Hollywood”。故郷を去る切なさが籠められている。5曲目“The Ballad of Billy The Kid(さすらいのビリーザキッド)”。イントロで馬の蹄の音は声でやっているの?ライブ感がいっぱい。伝説の英雄に自分を重ね合わせているのか、悲しい結末に。最後は“I've Loved These Days”。若々しい声が会場に響き渡る。

レコード最高!この記事を書いていてつくづくそう思った。CDパッケージの小さな文字の解説や歌詞からは感じられない暖かみがある。一曲一曲歌詞を眺めていると、短編小説を読んでいるようだ。これだから中古ショップ通いは当分止められそうにない。