ヴィヴァルディのチェロソナタ

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振り返った少女の瞳にドキッとさせられるジャケットが印象的

現在2度目の通読に挑戦している皆川達夫著『バロック音楽』(講談社学術文庫)の影響で、ヴィヴァルディのチェロソナタをジャン=ギアン・ケラスの演奏で聴いた。もちろんCD(輸入盤。日本盤は11月予定)で。ケラスはインターネット上で見る顔写真から若手かと思っていたが、プロフィールを見ると1967年生まれとある。まさに円熟味を帯びたマエストロか、あるいは音楽界では未だ若手か?
さてその演奏はというと、全般を通じて淡々と美しい調べを紡いでいる感じ。あまり感情的にならず、かといって暖かみは失わず。作曲年代からかノンヴィブラートで、極端な強弱もなく。これがバロック盛期の宮廷音楽というものか。でもよく聴くと、2番の4楽章アレグロでは結構激しい部分があったりもする。またハープシコードとの絡みも面白い。他にテオルボ(?)という楽器が加わっていたり、チェロが2台になる部分もあるらしいがわからなかった。聴き込んでいくともっと楽しめるような気がする。

<2018年9月29日追記>
上記に大幅な修正が必要とわかった。本日音量を上げて聴いたらまるで別な演奏。出だしの5番2楽章アレグロから低音の沈み込みが大きくお腹にドンと来る。楽器こそガット弦を使用したチェロやハープシコード古楽器ばかりだが、勢いはロックのように生き生きとしている。録音が良いのも関係しているだろう。広いダイナミックレンジを十分に使って迫力満点である。