秋の読書2021;マーク・トゥウェイン編

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子供向けの冒険談という印象の2作「トム・ソーヤーの冒険」「ハックルベリー・フィンの冒険」を思い切って手にした。結果は、予想通り意外なものであった。これまで幾つかの子供の読み物と思われる作品、「星の王子さま」「ガリバー旅行記」などを読み返したときと同様の感想である。子供の頃は単に作品の中に入り込んでワクワク、ドキドキするのが楽しみであったように思う。ところが還暦を過ぎて、こういった作品に触れると、これまでの人生を悔い改めさせられることが多い。自分の人生が全て不満足というわけではないのだが、こんな素晴らしい冒険の気持ちのカケラでもあったらと思わずにはいられない。主人公たちだけでなく、登場人物全てが、今を生きることに全身全霊を傾けている。良心に従うことと生き伸びることが、常に天秤に掛けられているような生活を送っている。今回のコロナ禍で死というものがこれまで以上にリアルさを持って迫ってきた。残りの人生を悔いがないように生きたい。