夏の読書2020 その2精神科医・伊良部シリーズ

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奥田秀朗の短編集、精神科医・伊良部シリーズ3冊を読んだ。家にいる時間が長くなり、ほぼ必然的に読書の時間が増えた。かといって、性格上読んだことのない作家のものはあまり手を出さない。今回も書店の方のおすすめだ。これまでも何度か紹介してもらい、期待が外れたことはなかった。シリーズ2冊目の『空中ブランコ』、それもタイトル作ではない2話目の『ハリネズミ』が一押しだった。その『ハリネズミ』、先端恐怖症になった若頭の話だ。強面で命をかけることも惜しくない屈強な男を、軽快な文章で喜劇の主役に仕立てていく。ベタなお涙頂戴あり、笑あり、そして最後はホッとさせられる。

いつまで続くのか、涯がない様に思われる新型コロナとの戦いや異常な暑さ。こんな時に最良の清涼剤に違いない。