ヨーヨー・マのCD『SOLO』を聴く

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ホテルの窓からレースカーテン越しに景色を写したらクロスフィルターの様な効果になった。

ブックオフで中古CDを物色していてヨーヨー・マ演奏の『SOLO』を見つけた。曲目は、コダーイ作曲の無伴奏チェロ・ソナタ作品8、ワイルド作曲「サラエヴォチェリスト」、アレクサンドル・チェレブニン作曲無伴奏チェロ組曲ほかで、いずれもタイトル通り独奏である。
最初の曲、コダーイ無伴奏は以前LPで聴いた時はまるで理解できず、そのまま聴き返すことはなかった。しかし今回改めて聴いて、マの素晴らしい演奏と共に曲の包み込むような雰囲気がとてもスキになった。この組曲のベースとなる作曲者の苦悩にはとても理解が及ばないが、一度だけ訪れたブダペストでの国会議事堂・鎖橋などを望むドナウ川沿いのゆっくりと流れる時間の感覚が思い出された。
続く「サラエヴォチェリスト」は、解説からこの曲が生まれた経緯を知り、ただ聴いていては行けないと考えさせてくれた。平和は祈るだけではやってこないことを。
さらにチェレブニンの組曲では、経験の積み重ねにより生まれてくるものの力強さを感じた。特に第4楽章の。
ブライト・シェンの「中国で聴いた7つの歌」は西洋音楽と中国の民族音楽との融合を試みたということが如実に感じられるものであった。中国無錫赴任時に見かけた、週末広場に集まり二胡を奏でる老人達の姿が思い出される。
最後のオコーナーの1曲「アパラチア・ワルツ」は、さらに素朴で牧歌的な曲だった。聞き終わると、とても穏やかな気持ちになっている自分に気付いた。
CDが増えて置き場所に困るのであるが、まだまだ当分止められそうにない。