映画『ひまわり』を観た

17年ぶりで、ソフィア・ローレンマルチェロ・マストロヤンニが主演の映画『ひまわり』を観た。NHK・BSで数日前に放送したものを録画しておいた。記憶の中では、ソフィア・ローレンがひまわり畑の中で慟哭している印象があったが、そのようなシーンはなかった。ソ連へ向かう電車の中から遠目に広がるひまわり畑。そして、無数の死者を埋めたその上に咲き乱れる広大なひまわり畑を通り抜けながら、必死に夫に見覚えのある現地人を探すジョバンナ(ソフィア・ローレン)。

どこまでも続くイタリア兵の墓を目の当たりにしながらも、夫アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は絶対に生きていると言い切るジョバンナ。

撮影地は、ウクライナの西部だそうだ(そのせいか現地の人の話し方が、隣接するスロバキアの言葉によく似ていた)。月並みな表現だが、同じような悲劇が繰り返されている現実に胸が締め付けられる。

前見た時はあまり印象に残らなかったソ連でのアントニオの妻マーシャ役のロシア人女優、リュドミラ・サベーリエワの演技、特に目の演技になんともいえない迫力を感じてしまった。

ジョバンナがアントニオを探し求めて、探し求めて、ようやく見つけた夫かもしれない人の住んでいる家の前での二人の女性の対峙。お互いに、一瞬で全てを悟り切ったような目の表情。二人の女優はそれぞれ87歳と80歳になられ、今もご健在だそうである。