ラウンド・ミッドナイト

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古本屋で買った寺島靖国著『辛口JAZZノート』というエッセイ集。昭和62年の本なので、著者が49歳。当時から現在への変遷・変節を感じながら読ませていただいた。本書中「ラウンド・(アバウト・)ミッドナイト」という曲のことが何度か出てくる。セロニアス・モンクの曲で、ジャズの有名なスタンダードであるらしい。そこで思い出したのが、いつものりずむぼっくす芦屋店で先日見つけたハービーハンコックのサントラ盤『ROUND MIDNIGHT』LP盤。買ったものの、初めを少し聴いただけで仕舞ったままだった。映画はジャズピアニストのバド・パウエルとサックス奏者レスター・ヤングの実話を題材にした物語。主役をサックス奏者のデクスター・ゴードンが演じ、ハービー・ハンコックもピアニストとして出演するという、なんともすごい映画だ。

さてそのLPを改めて聴いた感想。1曲目のタイトル曲を歌うボビー・マクファーリンの声は憂いを帯び胸に迫るものがある。どんな場面で流れるのだろうか。一番気に入ったのはB面5曲目の「MINUIT AUX CHAMPS−ELYSEES」。ハービーのピアノとボビー・ハッチャーソンのビブラフォンによるシンプルだが響きの美しい曲。古いLPだがノイズが少なく、ダイナミックレンジも良好だ。最近劣化の目立つカートリッジを替えてやるともっといい音楽に巡り会えるのだろう。