「君ねえ、・・・」

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東北を離れるにあたり最後の行き先に山形県を選んだ。メインは山寺のつもりであった。しかし、ブログを更新する段になって一番印象に残っていたのは山形市内に残されている旧県庁舎『文翔館』の展示だった。かつての執務室を忠実に再現したと思われる一室。そこにはリアルな人形が。折からの強い日差しが窓越しに入り、あたかも夕刻の出来事のようである。チョビひげの上司が若い女性に何事か話しかけている。叱責か、雑談か、いずれにせよ彼女には心地よくないようである。彼女の目つきが険しい。「君ねえ、最近ちょっと化粧が濃いのでないかね。」今では完璧なパワハラ、セクハラである。そんな事を想像している自身も変なやつと思う。

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今をさかのぼること142年前、1877年(戊辰戦争があった年。東京大学ができたのもこの年)に初代福島県令・三島通庸の意向を受け建設された旧山形県庁舎。10年に及ぶ修復工事を経て1997年に現在の形になった。素晴らしい事に無料でほとんどの内部が公開され、写真撮影も自由である。