イギリスのチェリスト

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サイン会でのスティーブン・イッサーリス

今回の定期演奏会の感想を書こうと思うのだが、どうもうまくまとめられない。一度書いたが、大変な思い違いをしているような気がして削除した。少し時間をおいて思い出すことにしよう。

<2018年11月14日追記>
今改めて思い返すと、少しわかって来た。感想を書けない理由が。想像していたドボルジャーク作曲チェロ協奏曲のソロパートでチェロの音が会場に響きわたるような演奏を、演奏者のスティーブン・イッサーリス氏は意図していなかったこと。ガット弦を纏ったストラディバリウス「マルキ・ド・コルブロン」は、近現代の楽器とは異なるということを思い知ったということだ。それがにわかチェロ愛好家の自分には理解できず、指揮者、オーケストラ、そしてイッサーリス氏に対して誤った感想を持ってしまった。2000名収容の大ホールではなく、貴族の館の小さなホールや教会でこそもっと活き活きと歌うのであろう。そうした状況下で、前4列目で聴けたことは幸いであった。オケとのバランスを少し欠いていたとしても、イッサーリス氏の奏でるチェロの音色が素晴らしいことはとても良くわかった。胴で拡声するというよりは、弦そのものが周囲の空気を直接ふるわせて音が拡がる、そんな感覚といえばよいだろうか。かつて日本も席巻したイギリスのスピーカー銘機‘LA3/5A’にも通じる良さがある。正面を向き眼を閉じて、自身の音に聴き入るように一音一音を紡ぐ、そんなイッサーリス氏のような演奏をいつの日かやってみたい。