佐渡裕の『天地創造』

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当時首席指揮者を務めていた佐渡裕が楽団の存亡の危機を救うべく2000年にリリースしたアルバム。サティの曲をめずらしい管弦楽で振っている。
さあいよいよPAC定期演奏会の2018-2019シーズンが始まった。今シーズンは前から4列目で昨シーズンよりやや後ろ。相変わらずのかぶりつき(とても気に入っている)。今日の曲目は何と1曲のみアンコールもなし、それもそのはず、休憩を挟んで全曲3部で110分を超える大曲である。ハイドン晩年、円熟期のオラトリオ『天地創造』。全曲を聴くのは今日が初めて。
先週読んだ五味御大のエッセイに感化され、何か心で聴いてやろうと意気込んでいたが、何のことはない。声部の歌詞をパンフレットで追いながら曲を理解するのが精一杯であった。
それにしてもハイドンは素晴らしい。チェロ協奏曲が大好きで、交響曲もその素朴さが気に入っている。それに加えて宗教曲も大変素晴らしい。打楽器や管楽器の迫力を駆使して畏敬の念を表すのではなく、あくまで弦楽器を軸に声部と一体で声高らかに神の偉業「天地創造」を讃えているところが素晴らしい。精神性が感じられた。特にレチタティーヴォで声部に合わせるチェロソロが良かった。音楽的理解に乏しいが、なかなか声部の方々と息が合っていたのではないか。今日はPACメンバーの佐々木賢二君が首席。初めおっかなびっくりに見えたのだが、どうして大したものだ。演奏終了後にヴォーカリスト全員から何度も声をかけられ握手を求められていた。いや本当に立派。
そして、私は終了後のサイン会で念願の佐渡さんにサインを頂き、握手を求めたのであった。