冬の読書2

f:id:hinoikelife:20180221224916j:plain
横溝正史・金田一シリーズを引き続き4冊読み切った。「本陣殺人事件」「獄門島」「八つ墓村」そして「悪魔の手毬唄」と続いた。他の方のブログで、金田一耕助が初めて登場する「本陣・・・」は早めに読むのがよいとあったので、再開後はじめに読んだ。確かにその後の物語と比べて、金田一耕助は饒舌で行動的で感情の起伏が豊かで若さがあふれていた。「獄門島」は、少々強引かなとも思える展開や犯罪トリックが、金田一耕助の謎解きをきいていると必然に感じられた。「八つ墓村」は裏表紙に書かれている通りシリーズ最高傑作といってよいであろう。インディージョーンズばりに洞窟内を調べてまわり、一時は命も危ぶまれる危機に直面する。宝探し的スリルと恐怖にあふれた展開は他の追随を許さない。そして最後に「悪魔の手毬唄」を読んだ。個人的にはこれが最高であった。ほとんど犯人像を描くことができないまま淡々と進むストーリー。終盤に至ってようやくプロローグが活きてくる展開。おどろおどろしい物語をそうと感じさせない、シリーズの他の作品とは少し違った客観的表現。エピローグでシリーズに一貫したヒューマニズムがより強調されているのも気に入った理由の一つである。