エドガー・モロー

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本日午後2時からのエドガー・モローのチェロ・リサイタルへ行って来た。会場は芸文、兵庫県立芸術文化センターの大ホール。2000席がほぼ満席。女性が多いのはいつもだが、それでも今日はちょっと多い。やっぱり演奏者が若い男の子だからか。それはさておき、席は前から10列目。結果的にこの席はモローがこちらに正対する位置となり、両手の動きがよく見え、息づかいまでが生々しく届いた。
プログラムに書かれている通りレストランのメニューのようにバラエティに富んだ曲が、途中休憩をはさんで14曲+アンコール2曲。ほとんどの曲が初めて聴くものだったが、彼の奏でる澄み切った音色や素晴らしい技巧を堪能した。1曲目は、ロマの音楽からヴィトリオ・モンティが作曲した「チャルダッシュ」。ジプシー音楽らしい哀愁を帯びた響きでいきなりやられた。それにしても弓が弦に吸い付くように全くぶれずに動いている。以前芸文で聴いたヴァイオリンのヒラリー・ハーンを思い出す。左右とも腕や指が自由自在だ。A線の指板から外れた駒側を易々と押さえて、まるでヴァイオリンのような澄み切った音色だ。前半最後のパガニーニ作曲「ロッシーニの『エジプトのモーゼ』の主題による一本の弦での変奏曲」は曲弾きっぽい高度なテクニック満載。休憩後に気付いたのだが、モローは楽譜のほとんどをタブレットを利用していた。さすが23歳、発想が自由だ。ただその彼もサン・サーンスの「あなたの声に心は開く」の演奏には紙の譜面を使っていた。この辺りの使い分け理由を聞いてみたい気がする。最後にエルガーの「愛の挨拶」他、アンコールを2曲も聴かせてくれた。

そしてお目当てのサイン会。開演前にデビューCDを買っていたので、一目散に並んで20人目くらいにサインをしてもらった。「It's amazing!」と言ったら、にっこり笑って「Thank you」と返してくれた。逆立てた髪型やラフな服装に似合わず礼儀正しいエドガー・モロー君でした。