冬の読書

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先日空堀商店街で購入した「悪魔が来りて笛を吹く」を手始めに、10年以上前に読んだ「悪魔の降誕祭」、そして新たに購入した「犬神家の一族」「夜歩く」と立て続けに読んでみた。「悪魔が・・・」は472ページの長編だったが、笛の音が聴こえてきそうな不気味さに引き込まれるように一気に、それでも3日かかったが、読めた。まさに悪魔のような所業を働いた犯人が最後に見せる兄弟愛。その心遣いと憎しみから生じた陰惨な殺人性の同居が何とも後味の悪い物語であった。「悪魔の・・・」は、最終的に生来の悪魔性による殺人だと言わんばかりの金田一耕助の謎解きだが、そんなことがあるはずがないと思いたくなるほどのこれまた後味の悪い物語。他に「女怪」と「霧の山荘」を収録。トリックをどこで見破ることが出来るか試されているような小品の傑作。「犬神家・・・」は、かつて古谷一行が演じたドラマでの印象が残っているもののストーリーについてはほとんど記憶になかった。もっとおどろおどろしい内容を想像していたが、意外に淡々とすすむ展開にのめりこむ。そして最後、犯人の述懐というのか自白は読み応えがあった。凄まじきは無償の愛。そして4冊目「夜歩く」は、謎解きも複雑かつどんでん返しの連続でおもしろいが、自称三流小説家の語りを読み進むと半ばで金田一耕助が登場するという展開に戸惑う。そして最後の最後で本当のどんでん返しの謎解き。うーん、こんな展開はわからなかった。横溝正史の頭の中はどんな風になっていたのだろう。まだ手元に2冊「八つ墓村」と「悪魔の手毬唄」があるが、少し頭を休めないとおかしくなりそう。続きはしばらくして再開予定。